エンジニアの転職理由5選｜伝え方のポイントや転職が有利になるスキルについて解説

「エンジニアの転職理由にはどんなものがある？」「面接の際にどのように伝えたら良い？」「転職を有利に進めるスキルはある？」そんなお悩みを感じてはいませんか？

エンジニアの転職理由としては、給与や待遇の不満や人間関係の悩みなどが挙げられます。しかし、伝え方を誤ってしまうと面接の際の印象を悪くしてしまう可能性もあるでしょう。

この記事では、エンジニアの主な転職理由や伝え方のポイント・転職を有利に進めるスキルについて解説します。エンジニアへの転職を考えている人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

｜エンジニアの主な転職理由5選

エンジニアの主な転職理由は、以下の5つです。

1. 給与や待遇に不満がある
2. 仕事内容が合っていない
3. スキルアップ・キャリアアップをしたい
4. ワークライフバランスを見直したい
5. 人間関係に悩んでいる

転職理由を知ることで、転職を前向きに検討できるようになるでしょう。

1.給与や待遇に不満がある

成果が適切に評価されていない職場環境では、努力に見合った報酬を得られず不満が蓄積される傾向にあります。

具体的な理由としては、以下が挙げられます。

• 高い実績を上げても給与へ反映されない
• 評価制度が不透明で昇給幅が限定されている
• 業務量と給与が釣り合っていない

給与や待遇に対する不満があると、他社でより魅力的な待遇や評価を提示された際に転職を決意しやすいでしょう。

2.仕事内容が合っていない

仕事内容が合っていないと感じることも、転職を決意する理由のひとつです。

具体的な理由としては、以下が挙げられます。

• 望んでいた技術や業種とは異なる業務に携わっている
• 部署異動によって業務内容が変化した
• キャリアの方向性に不安を感じた

希望した役割につけないと、モチベーションが低下してしまい、自分の描くキャリアやスキルを活かせる新たな働き方を求める傾向にあります。

3.スキルアップ・キャリアアップをしたい

技術の進化が激しいエンジニア業界では、同じ業務を続けているだけでは最新の知識やスキルを身に付けにくいため、スキルアップを目的に転職を決意する人もいます。

現職で望む部署異動やポジション変更が叶わない場合、転職を検討するのが一般的です。また、昇進やマネジメント経験の機会が限られている職場だと、キャリアアップを目的とした転職を決断するケースもあります。

4.ワークライフバランスを見直したい

ワークライフバランスの見直しも、転職理由のひとつです。

具体的な理由としては、以下が挙げられます。

• 残業や長時間労働が続いている
• 家族と過ごす時間や休息を十分に取れない
• プライベートを充実させたい

突発的な業務対応や休日出勤による不規則な働き方によって、心身に負担を感じて転職を決意する人も少なくありません。また、自己研鑽やスキルアップのための時間が確保できないことも、転職を決意する要因になります。

5.人間関係に悩んでいる

チームでプロジェクトを進めるエンジニアは、コミュニケーションが欠かせないため、人間関係の悩みも転職理由のひとつです。

厚生労働省『令和4年雇用動向調査結果』でも、男性8.3%・女性10.4%が、「職場の人間関係が好ましくなかった」ことを転職理由に挙げています。

具体的な理由としては、以下のとおりです。

• メンバーとの考え方が合わない
• 上司の協力が得られない
• 後輩教育に多くの時間を割かなければならない

人間関係の問題は目に見えにくいものですが、限界を感じ転職で環境を変えようとするケースが増えています。

｜エンジニアの転職の伝え方 3つのポイント

エンジニアが転職を伝える際のポイントは、以下の3つです。

1. ポジティブな理由に変換して伝える
2. 転職理由と志望動機は一貫させる
3. 具体例を交える

ポイントを押さえることで、転職のきっかけも前向きに伝えられるようになるでしょう。

1.ポジティブな理由に変換して伝える

転職理由がネガティブな理由であったとしても、面接ではポジティブな表現に変換して伝えるのが重要です。不平や不満だけを強調すると、採用担当者にマイナスな印象を持たれる可能性があります。

主な変換の仕方は以下のとおりです。

転職理由	変換例
給与が低い	さらなる責任とチャレンジを求めている
仕事がつまらない	より挑戦的なプロジェクトに携わりたい
仕事内容が合わなかった	自分の能力や目標に合った環境を求めている

面接では転職回数よりも技術力や成長意欲が重視されるため、技術向上への熱意や挑戦心を積極的に伝えましょう。

2.転職理由と志望動機は一貫させる

転職活動においては、転職理由と志望動機の一貫性を持たせることも欠かせません。

たとえば、技術習得やスキルアップを求めている場合は、現職で思うように成長できなかった困難を転職理由として伝え、希望企業の方針に共感したことを志望動機に結びつけると良いでしょう。

また、待遇や給与に不満があった場合でも、志望企業の評価制度や労働環境の充実性を魅力としてアピールすることで、前向きに志望動機と連動した理由を示せます。

転職理由と志望動機に一貫性があれば、採用担当者に納得感を与えやすく、選考通過の可能性を高めることが可能です。

3.具体例を交える

転職理由を伝える際は、過去のプロジェクトでどのような成果を上げたかを具体例を交えて説明するのがおすすめです。数字や指標を用いて客観的に説明することで、企業への貢献度を明確に示せるでしょう。

また、困難に直面した経験や、どう乗り越え何を学んだのかを具体的に共有すると、成長や自己成長意欲も伝わりやすくなります。応募先企業への理解を示したうえで、どのように貢献できるのかをアピールしましょう。

｜エンジニアの転職を有利に進める5つのスキル

エンジニアの転職を有利に進めるスキルは、以下の5つです。

1. マルチタスクへの対応力
2. 分析力
3. 発想力
4. 論理的思考力
5. コミュニケーションスキル

希望する職種に合わせて、一つひとつスキルを磨いていきましょう。

1.マルチタスクへの対応力

エンジニアは広範囲にわたる業務を同時並行で進めるため、マルチタスクへの対応力が欠かせません。

現場では、突発的なプロジェクト対応や製造工程で予想外の課題が発生しやすいので、優先順位を見極めながら効率良く業務を遂行するスキルが求められます。

マルチタスクへの対応力があるエンジニアは、さまざまな局面で活躍できることから、転職市場でも評価されやすいのが特徴です。

2.分析力

製品の生産工程でトラブルが発生した際、現場の記録やデータをもとに迅速に原因を特定し、改善策を導くには、分析力が重要です。

問題の本質を見極め、分析結果に基づいた解決策を考え出す力があれば、不具合の再発防止や生産効率の向上に寄与できるでしょう。

また、より高品質な製品づくりにも、抽出した課題を分析し、改良を重ねる姿勢が欠かせません。そのため、的確な分析力は、新しい職場でも重宝されやすい傾向にあります。

3.発想力

エンジニアには、予算や制約を踏まえながら具体策を考える柔軟な発想力が求められます。

既存設備の配置の工夫や生産フローの見直しでは、細やかな観察力とともに、従来にとらわれない自由な発想が欠かせません。

システムや製品の改良においても、アイデアを形にできるエンジニアは評価される傾向にあり、成果に結びつきやすいのが特徴です。鋭い観察力をもとに、知識や経験をアウトプットできる能力を備えていれば、幅広い領域で活躍の場を広げられるでしょう。

4.論理的思考力

論理的思考力は、トラブルの原因を明確に究明し、順序立てて解決策を考えるために必要なスキルです。

論理的思考力は、以下の2種類に分けられます。

• 帰納法：事例の共通点から結論を導き出す
• 演繹法：既存の情報に客観的な情報を付け加えて結論を出す

自分がどちらの思考法を得意としているかを、整理してアピールできるようにしておくのがおすすめです。

職種を問わず多くの企業・経営者が求めるスキルでもあるため、論理的思考力がある人は重宝されやすいでしょう。

5.コミュニケーションスキル

エンジニアは他職種のメンバーとチームを組んでプロジェクトを進めるのが一般的であるため、コミュニケーションスキルが欠かせません。

生産工程や営業担当との情報共有や問題解決に向けた意見交換を重ねられれば、業務の質や成果も高まっていくでしょう。

また、信頼関係を築いていくのにも、相手の意見を引き出すコミュニケーションスキルが重要です。

｜エンジニアの転職を成功させるポイント

エンジニアの転職を成功させるポイントは、以下のとおりです。

• エンジニアに活かせる資格を取得する
• エンジニアに強い転職サイトを利用する

希望する条件の企業への転職を成功させるためにも、ポイントを押さえて転職活動を進めましょう。

エンジニアに活かせる資格を取得する

エンジニアに活かせる以下のような資格を取得することで、スキルや知識を客観的にアピールできます。

資格	詳細
CAD利用技術者試験	・CADを使用できるスキルを証明する資格 ・2次元CADと3次元CADの資格に分かれている
基本情報技術者試験	・ITエンジニアの登竜門的な国家資格 ・サーバ、ネットワーク、セキュリティの基礎知識を網羅できる ・2023年から通年CBT方式で実施
応用情報技術者試験	・基本情報技術者の上位資格 ・高度IT人材に必要な応用的知識・技能を証明できる ・テクノロジー以外に経営、プロジェクトマネジメント、法務も出題される

エンジニアに強い転職サイトを利用する

エンジニアが転職を検討するなら、専門性の高い転職サイトを活用するのがおすすめです。一般的な求人サイトは求人数が多い一方で、エンジニアの職種は限られているため、希望する条件の企業を見つけにくいでしょう。

ビーネックステクノロジーズが運営する「NEXT ENGINEER」なら、機械や電気・IT領域の求人が全国で9,000件以上掲載されています。

また、2,000種以上の研修講座や200種以上の資格取得サポートも用意されているので、スキルアップやキャリア形成の後押しを受けられるのも特徴です。

研修	主な内容
機電研修	・10日間でものづくりの基礎が学べる ・機械加工の基礎、材料力学、機械力学、半導体の製造プロセス、電気基礎、Excelなど ・ドライバーやスパナなど一般工具の適正な使い方、機械図面の読み方、卓上CNC旋盤の組み立てなどの機械基礎 ・電気配線方法、結線、電圧測定器による計測など電気基礎
セミコン研修	・1カ月間で半導体や半導体製造装置の基礎が学べる ・半導体とは何かという基礎知識から、研修センターにある半導体製造装置を使って装置構造やメンテナンス方法を学習できる
C言語マイコン研修	・約1〜2カ月間のオンライン研修でプログラミング言語の基礎であるC言語が学べる ・C言語の基礎やプログラミング方法から、マイコンキットを用いた制御開発研修で実際にファンを回したり、LEDランプを点灯させたり、実践的な開発に沿った形で学習できる

▽学習・研修制度の詳細はこちら

｜エンジニアの転職におすすめの6つの職種

エンジニアの転職におすすめの職種は、以下の6つです。

1. 機械設計エンジニア
2. 実験・評価エンジニア
3. 生産技術エンジニア
4. 組込みエンジニア
5. 回路設計エンジニア
6. 品質管理・品質保証エンジニア

職種への理解を進めることで、転職を積極的に検討しやすくなるでしょう。

1.機械設計エンジニア

機械設計エンジニアは、機械の設計や開発に加え、提案や運用・管理業務まで幅広く担当する職種です。専門性を活かしながら役割分担して進めていくため、技術力や経験以外にも、コミュニケーションスキルも求められます。

機械設計エンジニアの年収例は、以下のとおりです。

経験年数	年収例	内訳
16年	763万円	月給50万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回
24年	837万円	月給55万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回
26年	910万円	月給60万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回

以下の記事では、機械設計エンジニアに求められるスキルや資格などについて紹介しています。

関連記事：機械設計エンジニアの仕事内容｜平均年収ややりがい、役立つスキル・資格も紹介

2.実験・評価エンジニア

実験・評価エンジニアは、販売前の製品が安全かつ高い品質を備えているかを確認する職種です。

自動車や航空機、家電製品など、幅広い分野の実験計画や数値計測・分析・フィードバックに取り組みます。

実験・評価エンジニアの年収例は、以下のとおりです。

経験年数	年収例	内訳
6年	471万円	月給30万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回
16年	610万円	月給39万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回
26年	760万円	月給50万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回

以下の記事では、実験エンジニアの仕事内容や求められるスキル、役に立つ資格などについて紹介しています。

関連記事：実験・評価エンジニアの仕事内容｜求められるスキルや将来性も解説

3.生産技術エンジニア

生産技術エンジニアは、製品の生産工程を見直し、効率化やコスト削減を目指す職種です。生産現場の課題を的確に洗い出し、改善策を提案するスキルが求められます。

生産技術エンジニアの年収例は、以下のとおりです。

経験年数	年収例	内訳
6年	479万円	月給30万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回
16年	689万円	月給45万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回
26年	822万円	月給54万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回

以下の記事では、生産技術エンジニアの仕事内容や年収例、役立つ資格などについて紹介しています。

関連記事：生産技術エンジニアの仕事内容｜年収例や資格・将来性についても解説

4.組込みエンジニア

組込みエンジニアは、自動車や家電といった身近な製品に搭載される制御システムの設計・開発を担当する職種です。AIやIoTといった先端技術の普及に伴い、組込みエンジニアの需要が高まっていくでしょう。

組込みエンジニアの年収例は、以下のとおりです。

経験年数	年収例	内訳
6年	518万円	月給33万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回
10年	636万円	月給41万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回
18年	739万円	月給48万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回

以下の記事では、組込みエンジニアの転職を成功させるポイントや求められるスキルについて紹介しています。

関連記事：組込みエンジニアの転職戦略｜主な仕事内容や必要なスキル・キャリアパスを紹介

5.回路設計エンジニア

回路設計エンジニアは、製品に組み込まれる電子回路の設計や製造を担当する職種です。アナログ回路とデジタル回路の2種類に分かれており、どちらかの技術を専門的に身に付ける傾向にあります。

回路設計エンジニアの年収例は、以下のとおりです。

経験年数	年収例	内訳
16年	763万円	月給50万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回
24年	837万円	月給55万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回
26年	910万円	月給60万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回

以下の記事では、回路設計エンジニアへの転職について紹介しています。興味がある人は、ぜひご覧ください。

関連記事：回路設計エンジニアの転職戦略｜仕事の流れや市場動向・求められるスキルを紹介

6.品質管理・品質保証エンジニア

品質管理・品質保証エンジニアは、製品の品質を守る役割を担当する仕事です。品質管理エンジニアと品質保証エンジニアには、以下のような違いがあります。

項目	品質管理 エンジニア	品質保証 エンジニア
業務範囲	主に製造過程のみ	企画〜アフターサービスまで幅広い
保証範囲	製品完成前まで	企画から販売後まで
責任	出荷時点の品質を保証	出荷後の製品も保証
製品との関わり	モノづくりに関われる	製品になったものに関われる
コミュニケーション	社内向けに対応	社外との折衝も行う

品質管理では、出荷までの各工程を通じて製品が基準を満たしているかを徹底的に検証・管理します。一方、品質保証は企画段階から生産、そして出荷後のアフターサービスまで対応するのが特徴です。

品質管理・品質保証エンジニアの年収例は以下のとおりです。

経験年数	年収例	内訳
6年	471万円	月給30万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回
16年	610万円	月給39万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回
26年	760万円	月給50万円 ＋残業手当 ＋賞与年2回

以下の記事では、品質保証・品質管理に求められるスキルや資格などについて紹介しています。

関連記事：品質保証エンジニアの転職戦略｜主な仕事内容や市場動向・求められるスキルを紹介
関連記事：製造業の品質管理エンジニアとは？仕事内容や求められるスキル・資格、年収例を紹介

｜ビーネックステクノロジーズで希望する職種への転職を成功させましょう

エンジニアの主な転職理由は、給与や待遇の不満・人間関係の悩み・キャリアアップ・スキルアップなど、多岐にわたります。しかし、面接の際に転職理由をそのまま伝えてしまうと、印象を悪くしてしまう可能性があるので注意が必要です。

ネガティブな転職理由で合っても、ポジティブな内容に変換し、前向きな転職であることをアピールできるようにしましょう。

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