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実験・評価エンジニアの仕事内容|求められるスキルや将来性も解説

実験・評価エンジニアとは、リリース前の製品の機能や品質を評価する仕事で、テストエンジニアとも呼ばれます。世に出る前の製品をユーザー視点で評価し、安全性を担保する重要な仕事です。

今回は実験エンジニアの詳しい仕事内容や求められるスキルについて解説します。
年収例や将来性についてもお伝えしますので、転職を検討している人はぜひ参考にしてみてください。

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実験・評価エンジニアとは製品の安全性を評価する仕事

実験・評価エンジニアとは、販売前の製品の安全性や機能を評価する仕事です。実験の対象には、以下のような製品やその部品があります。

  • 自動車
  • 航空機
  • ロボット
  • 家電
  • 半導体

たとえば、自動車の走行試験では、自動走行車や電気自動車などのあらゆる車両をテストします。具体的には、専用のテストコースで加速試験や自動車の乗り心地、騒音などの性能を評価するためのデータを収集。また公道に出て実環境でテスト走行を行う場合もあります。

消費者や顧客に届く製品は、安全性が確立されていることが絶対の条件です。そうした意味では、実験・評価エンジニアは人々の安全を守る仕事と言えます。また、新製品開発の一端を担える点も実験・評価エンジニアの醍醐味です。

実験・評価エンジニアの仕事内容

実験・評価エンジニアの仕事内容を3つの工程に分けて解説します。

  • 実験計画
  • 実験の実施
  • 評価・解析

実際に仕事をする際のイメージをつかみましょう。

実験計画

最初に、設計者が求める機能や性能を満たしているかを評価する実験計画を立てます。この時には、主に以下の点を明確にしておくことが重要です。

  • 実験の目的
  • 実験内容
  • 実験スケジュール
  • 実験に必要な装置や測定器
  • 安全性を評価する水準

計画やテスト項目に漏れがあると、本当に問題がない製品なのか、結果の正当性が揺らぐ可能性があります。
日頃から他社や専門誌に掲載された実験例を確認したり、情報収集したりするなど、充実した実験計画を立てるための自己研鑽も必要です。

実験の実施

計画にもとづいて実験を実施し、評価に必要なデータを計測します。プロジェクト内容の例は以下のとおりです。

  • 自動走行車の振動・音の実験・評価
  • 車載カメラの電気回路評価
  • 産業用ロボットの性能評価
  • 航空機用エンジンの解析・評価
  • 医療用機器の電気回路評価
  • 半導体製造設備の高周波電源装置の電気特性評価

またテストには以下の種類があります。たとえば、防水テストは部品や製品を雨にさらしたり、スプレーで特定の距離から吹きかけたりして耐水性を確認します。

  • 防水テスト
  • 落下テスト
  • 耐熱・耐久テスト
  • 強度テスト
  • 動作テスト

評価・解析

実験で計測した数値をもとに分析・解析を行い、設計部署に検証結果をフィードバックします。
設計部の修正後、安全性や機能の合格水準を満たすまで、実験計画から評価・解析までの流れを何度も繰り返します。

実験・評価エンジニアの動向と将来性

実験・評価エンジニアが主に活躍する製造業界は、2021年時点で国内GDPの約2割*1を占め、日本経済の根幹とも言える産業です。安心安全な製品を世に届けるため、なくてはならない需要のある仕事です。

近年はCAE解析ツールの導入によって、現実的に条件を整えるのが難しい実験もパソコン上で効率的に行えるようになりました。人件費や実験にかかる費用など、コストカットの面でもメリットがあります。

一方、実験・評価エンジニアの仕事は、決められた項目に沿って実験を繰り返すルーティンワークの面もあることから、いずれAIに仕事が奪われるのではないかという声もあります。

しかし、実験・評価エンジニアは将来性のある仕事です。新しい製品がリリースされ続ける限り、安全性を担保する実験・評価エンジニアの仕事はなくならないためです。

技術の進歩によって、今後ますます新しい技術を取り入れた製品が登場するでしょう。
自動車分野では、自動運転や空飛ぶクルマの実装に向けて研究開発を進めている企業もあります。

AIによって実験に人の手があまり入らなくなっても、最終的には人間の目によるチェックが欠かせません。世間の需要に沿った知識やスキルを取得していけば、長く活躍できる仕事です。

※参照:
*1)経済産業省「2023年版ものづくり白書(第1章 業況/第1節 製造業の業績動向)」2P

実験・評価エンジニアの年収例

実験・評価エンジニアとして勤務するビーネックステクノロジーズの社員の年収例を3つ紹介します。

年収例内訳経験年数
536万円月給35万+残業手当
+賞与年2回
26年
522万円月給34万+残業手当
+賞与年2回
22年
461万円月給30万+残業手当
+賞与年2回
13年
※残業11時間分を含みます
※経験は技術経験です
※上記年収例は一例であり経験やスキルにより異なります

 

需要のあるスキルを身に付けたり、実験評価の知見を活かして業務の幅を広げたりすることで、さらに年収が上がる可能性があります。

実験・評価エンジニアに求められる資質・スキル

実験・評価エンジニアに求められる資質やスキルは、主に5つあります。

  • 正しいデータを読み取る力
  • 計画を立てる力
  • コミュニケーション能力
  • 解析ツールを使いこなす力
  • コツコツ継続する忍耐力

上記のスキルを身に付けている人は、実験・評価エンジニアとして長く活躍できるでしょう。

正しいデータを読み取る力

安心安全な製品を作るためには、中立な実験を行い、正しいデータを計測する必要があります。何かに忖度した実験は欠陥品やトラブルのもとだからです。
決められたルールや法令にのっとって安全性を網羅できる実験を行い、データを正しく計測できる人が向いています。

計画を立てる力

中立な実験を行うためには、正確な実験計画を立てる必要があります。計画に抜け漏れがあると、不具合を見落とす可能性があるためです。

実験データは実施する環境、素材の強度、操作法などを考慮し、さまざまな条件で集める必要があります。目的を達成するためにどのような実験を行うべきか、日頃から自社の過去のデータや他社・専門誌の事例に目を通しておくとよいでしょう。

コミュニケーション能力

実験・評価エンジニアにはコミュニケーション能力も重要です。
実験で不具合が見つかった場合、設計部門に報告し改善を促す必要があります。しかし、言い方によってはダメ出しと受け取られてしまい、険悪な空気になりかねません。

とはいえ、製品の安全と信頼を担保するためには、開発側ではなくユーザー視点で主体的に意見を言う必要があります。
スムーズにやり取りして仕事を進めるには、日頃からコミュニケーションを大事にして関係者と信頼関係を築くことが重要です。

解析ツールを使いこなす力

実験にCAE解析を導入する企業が増えていることから、解析ツールを使う力も必要です。解析ツールを使用することで、現実では再現が難しい条件下での実験も、パソコン上でシミュレーションできます。

たとえば、自動車部品の耐久テストでは、CAEツール上で実験に使用する材質や加える力の強さを入力します。すると、特定の箇所に力を加え続けてどこまで耐えられるか、どのタイミングでどのような変化が起こるのかが簡単に検証できるのです。

実験にかける時間やコストの削減につながるため、このようなツールを使いこなせる人材は重宝されるでしょう。

コツコツ継続する忍耐力

実験・評価エンジニアは、地道な単純作業を延々と繰り返す忍耐力も必要です。
製品の安全性を保証するために、同じテストを数十回以上繰り返すこともあるでしょう。淡々と継続しつつも、不具合を見落とさない慎重さも求められます。

コツコツ作業することが苦でない人や、機械やモノづくりが好きでモチベーション高く取り組める人が向いています。

実験・評価エンジニアに役立つ資格

実験・評価エンジニアに役立つ資格は主に3つあります。

  • 品質管理検定(QC検定)2級
  • 危険物取扱者乙種 第4類
  • 2級自動車整備士

転職で有利に働くこともありますので、取得できそうな資格に挑戦するのがおすすめです。

品質管理検定(QC検定)2級

品質管理検定(QC検定)は、品質管理に関する知識を測定する試験です。品質管理・品質改善の知識を体系的に学習できます。
実験・評価エンジニアは、品質の課題を解決できる管理職や社員を想定した2級がおすすめです。

レベル対象者試験内容
2級  自部門の品質問題解決をリードできるスタッフ、品質に関わる部署の管理職・スタッフなど
※受験資格は不問
  • QC七つ道具等を含む統計的な手法の活用や実践のための知識
  • 確率分布、検定・推定、相関分析・回帰分析、実験計画法、抜取検査、信頼性工学、品質機能展開、統計的プロセス管理などの基礎知識
  • 3~4級の試験範囲
※参照:日本規格協会グループ

主催の日本規格協会グループから複数種類の参考書や過去問題集が発行されているので、自分に合った書籍で勉強しましょう。

危険物取扱者乙種 第4類

危険物取扱者試験は、指定の危険物の取扱い・点検に関する知識を証明する資格です。
製造業に従事する実験・評価エンジニアは、ガソリンを始めとした引火性液体を扱うことがあるので第4類の取得がおすすめです。

受験資格対象の危険物試験内容
不問ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類等
  • 危険物に関する法令
  • 基礎的な物理学と化学
  • 危険物の性質/火災予防
※参照:一般財団法人消防試験研究センター

試験期間である消防試験研究センターの公式サイトでは、過去問題が一部公開されているので傾向をつかんでおきましょう。

2級自動車整備士

自動車整備士は、自動車のメンテナンス・分解・組み立てなどを行う知識を証明する国家資格です。走行実験や衝突実験など、自動車に関する実験に携わる場合に役立つでしょう。
2級を取得すると、エンジンやタイヤの分解整備を含めた自動車の一般的な整備が可能となります。

検定の種類自動車の種類受験に必要な
実務経験の年数
試験内容
ガソリン自動車普通ガソリン自動車(ガソリン・エンジンを搭載した普通自動車)、小型四輪ガソリン自動車(ガソリン・エンジンを搭載した四輪の小型自動車)、三輪の小型自動車、四輪の軽自動車及び三輪の軽自動車
  • 実務経験のみ:3級合格後3年以上
  • 資格取得者:特定の検定または3級合格後2年以上
  • 機学・電気・電子学科の修了者:0年~3級合格後2年以上
  • 職業訓練修了者:0年~3級合格後2年以上
【学科試験】
  1. 構造、機能及び取扱い法に関する一般知識
  2. 点検、修理、調整及び完成検査の方法
  3. 整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱い法に関する一般知識
  4. 材料及び燃料油脂の性質及び用法に関する一般知識
  5. 図面に関する初等知識
  6. 保安基準その他の自動車の整備に関する法規
【実技試験】
  1. 基本工作
  2. 点検、分解、組み立て、調整及び完成検査
  3. 一般的な修理
  4. 整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い
ジーゼル自動車ジーゼル自動車(ジーゼル・エンジンを搭載した自動車)
二輪自動車二輪の小型自動車及び二輪の軽自動車
自動車シャシ普通自動車、四輪の小型自動車、三輪の小型自動車、四輪の軽自動車及び三輪の軽自動車のシャシ
  • 実務経験のみ:3級、タイヤまたは車体合格後3年以上
  • 資格取得者:特定の検定合格後1年6カ月以上
  • 機学・電気・電子学科の修了者:0年~3級、タイヤまたは車体合格後1年6カ月以上
  • 職業訓練修了者:0年~3級、タイヤまたは車体合格後1年6カ月以上
※参照:国土交通省「自動車整備士になるには
※受験に必要な実務経験の年数については「受験資格について」を要確認
※「タイヤまたは車体」とは「タイヤまたは車体整備士資格取得者」の意味

 

整備工場などで勤務している人は、自動車整備振興会主催の2級自動車整備技術講習を受講すると、整備スキルが身に付くだけでなく実技試験が免除されます。

実験・評価エンジニアに転職するには

実験・評価エンジニアに転職するには、経験した業務内容をアピールするのがもっとも効果的です。選考では、以下をわかりやすく整理して伝えましょう。

  • 携わった製品
  • これまで発見した課題や不具合
  • 使用経験のある解析ツール、測定器

また、技術面だけでなく自分の人間性もアピールするのがおすすめです。
実験・評価エンジニアは黙々と作業するだけでなく、設計部門の担当者や製造部門のエンジニアなど多くの人と連携して仕事を行う必要があります。率直に意見を言ったりフィードバックし合ったりできる関係を築くには、コミュニケーション能力や主体性なども必要です。

実験・評価エンジニアは安全な製品づくりに欠かせない仕事

実験・評価エンジニアは、日常生活や仕事に欠かせない製品の安全性や機能を評価する仕事です。不具合や課題は製品の流通前に取り除く必要があるため、安心・安全な生活を送る上で非常に重要な仕事と言えます。

今後DXやスマートファクトリーの導入が進んだとしても、機械だけに実験や解析を任せるのではなく、人間の目で確認する必要があります。そのため、今後も需要が伸びる将来性のある仕事と言えるでしょう。

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