テストエンジニアとは？底辺・やめとけ・楽しいどれが事実？向いている人についても解説

皆さんはエンジニアという職業から、どんな仕事を想像しますか？IT業界のシステムエンジニアや製造業界の機械設計など、エンジニアと一言でいっても多岐にわたります。

今回は、IT業界の中でも、検索するとなぜか「底辺」というワードも一緒にでてきてしまう「テストエンジニア」のお仕事をピックアップ。実際はきついの？やりがいはどうなの？向いている人ってどんな人？などテストエンジニアについて、詳しく掘り下げ解説していきます。

｜テストエンジニアとは

テストエンジニアは、Webアプリケーションを作った後、「このアプリが本当にお客様に安心して使ってもらえるか」を確認しテストするお仕事です。テストエンジニアは「QAエンジニア」と呼ばれることもあります。ポジションによって業務の幅が異なり、アプリやソフトウェアのシステムテストを実施するテストエンジニアとして主な役割を担う場合もあれば、レビューを専門としてデータ分析を行い、開発プロセスや製品の品質をフィードバックする品質管理に特化した仕事もあります。

QAとは

QAは「Quality Assurance」の略称です。ソフトウェアテスト技術者の国際的な資格を認定する日本のソフトウェアテストの資格認定団体であるJSTQBが加盟する国際機関ISTQBの用語集※では「品質保証」と訳され、「品質要件が満たされるという確信を提供することに焦点を当てた活動」と定義され、ソフトウェアなど成果物の品質を担保するという役割をもっています。

※参照：ISTQB用語集

｜テストエンジニアの具体的な仕事内容

テストエンジニアはシステムやソフトウェアの品質管理を行います。実際にテストを実施するだけではなく、テストの準備段階から結果の分析、改善に向けた提案まで開発プロセスに携わり、品質を保証できる仕組みづくりを担います。
ここでは、テストエンジニアの具体的な業務について、主要なものを3つご紹介します。

役割	業務内容詳細
テスト設計 テスト計画を作成し設計する	作られたシステムやソフトウェア、アプリケーションに対し、品質の定義について分析からはじめ、どのようにテストを行うのかテストの観点や技法、回数などを決定しテスト計画を作成する。テスト計画ができたら、関係各所とスケジュールを調整し、より具体的な作業内容を定めるテスト設計を行う。
テスト実施 テストを実行・検証する	テスト設計書に基づきテストを実行する。仕様通りであるかはもちろん、ユーザーにとって快適に使用できるシステムになっているかなど、多角的な視点でテスト・確認を行う。
フィードバック テストの結果を報告書にまとめる	テスト結果に基づき、結果に応じてシステムの品質を評価し、開発者にフィードバックする。必要に応じてテスト計画の見直しを行い再度テストを行うこともある。品質向上を目指して新たな提案を行うこともある。

■テストエンジニアのプロジェクト例

テストエンジニアが実際どんな仕事をしているのか、テストエンジニアのプロジェクト例をご紹介します。

・Androidスマートフォンのシステムテスト
具体的には、受け入れ評価をはじめ、ユーザー観点でのシステム評価も行い、データ収集、フィードバックまでを担当します。

・カーナビゲーションシステムのシステムテスト
カーナビゲーションシステムのテスト設計、テストの実施検証を行います。

・WEBモバイルアプリのシステムテスト
具体的には、資産産運用、保険等サービスにおけるQA業務 ・Webシステム、モバイルアプリをメインにテスト設計書/項目書の作成、テスト実施を行います。

｜テストエンジニアやめとけ・底辺の理由

テストエンジニアやめとけや、テストエンジニア底辺はなぜ検索するとよく出てくるのでしょうか。その理由を知っておくことは、仕事を選ぶ上で重要になるでしょう。なぜなら、仕事の魅力だけではなく、現実的な課題や苦労も事前に把握でき、自分が合っているかを判断できるからです。ここでは、なぜそのようにいわれることがあるのか、主な理由を3つご紹介します。

■テストエンジニアは年収が低い

テストエンジニアと検索すると底辺以外に、やめとけというワードも出てくることがあります。「テストエンジニアやめとけ・底辺」が出てくる理由は、テストエンジニアの年収が低い傾向にあるからです。厚生労働省が運営している職業情報提供サイトjobtagによると、システムエンジニアの平均年収は684.9万円と記載があり、ITエンジニアの転職に強いレバテックキャリアでは、テストエンジニアは426万円とあります。
他のIT系の職種と比べて、テストエンジニアの平均年収は100万円以上差があります。
一方で、テストエンジニアはITスキルがまったくない未経験からでも調整できる業務が多く、ITエンジニアへの第一歩として始めやすい仕事でもあります。実際にシステムエンジニアもまずはテストエンジニアとしてキャリアを積み、その後設計へのステップアップしていくためキャリアのスタートという考え方もできます。

■テストエンジニアは納期が厳しい

システムエンジニアが開発業務を受注する際は、開発工数により「予算」が決まり「納期」が決まります。予算に余裕があるクライアントは少ないため、「できるだけ安く作ってほしい」というオーダが多いのが事実です。その中で、開発の工数は削るのが困難ですが、テストの工数をギリギリに抑えることは可能です。
このように、多くの開発現場ではテストエンジニアが行うテスト工程に納期の余裕がない事が多く、テストエンジニアは常に納期に追われる仕事になる可能性が高いため、きついと感じる方もいるでしょう。

■単純作業を何度も行う

テストエンジニアは、テスト設計書に基づいて、何度も同じ作業をする必要があります。 エンジニアはクリエイティブで自由なイメージを持つ方も多いかもしれませんが、テストエンジニアには自分のアイデアをカタチにするというよりも指示されたことを確実に実施することが求められます。コツコツ作業・モクモク作業が苦にならないという人には向いていますが、自分の裁量で仕事をしたい人にはストレスに感じる可能性があるでしょう。
ただし、テストスキルが身に付いてくると自分でテストパターンを考えたり、より効率的かつ安全性を担保できるプランを提案することもできるようになります。テストに特化して高いスキルをもってストエンジニアも存在しますので、適性により自分のキャリアを見ていくと良いでしょう。

｜テストエンジニアのやりがい・楽しさ

ここでは、実際にテストエンジニアとして働くエンジニアの声をもとにテストエンジニアのやりがいや楽しさについて解説します。テストエンジニアはきつい面もありますが、もちろんやりがいもあります。仕事のきつい部分があっても、やりがいを意識することで、モチベーションを維持できるでしょう。
テストエンジニアのやりがいには「身近な製品開発や社会インフラに携わり社会貢献を実感できる」「自分の仕事が製品開発の一部を担っている」などが挙げられます。ここでは、それぞれのやりがいについて紹介します。

社会貢献している実感を得られる

テストエンジニアは、社会インフラである「列車の運行管理システム」や「病院の電子カルテなどの医療システム」、「銀行のATMシステム」、さらにスマートフォンアプリまで私たちが生活するうえで欠かせないシステムの品質を守る重要な仕事です。
特に不具合が発生することによる社会的影響が大きいシステムは、エラーが許されません。このバグ、エラーを防ぐためにはテストの工程が必須です。テストエンジニアが確実にテストし品質を確保することで社会インフラが安定し、人々の生活が円滑に豊かになることも、社会貢献している実感を得やすいと感じるでしょう。

感謝されることが多い

テストエンジニアは、感謝されることが多いこともやりがいの1つです。
バグを早期に発見することは結果的に工数削減になり、開発チームや顧客から直接感謝されることがあります。特に重大なトラブルを防いだ際には「助かった」と声をかけられることも多く、仕事の重要性ややりがいを実感できます。顧客が安心して利用することができるソフトウェア製品を提供することで、クチコミなどでユーザーからのポジティブな反応が得られることもモチベーションにつながります。

プログラミング知識や論理的思考が鍛えられる

テストエンジニアは、テストの計画・設計や改善を重ねる中で、論理的思考力が自然と養われます。バグを発見したり改善提案をしたりすることを繰り返し行うことで、相手に伝わる説明力やドキュメント作成力も身に付きます。また、自動化ツールやプログラミング（Ruby・Python・Javaなど）を扱うスキルを習得でき、キャリアアップにもつなげることが可能です。
追求していくと、非常に専門的な仕事になるため、しっかりとスキルアップを続ければそれがエンジニアとしての楽しさにもつながるでしょう。

｜テストエンジニアに向いている人の特徴

テストエンジニアは、細部に注意を払いながら正確に作業を進める職種です。向いている人の特徴は次の5つです。

・バグ探しや細かいチェックが好きな人
・繰り返し作業が苦にならない人ドキュメント作成
・説明が得意な人
・IT知識やプログラミング知識がある人 
・コミュニケーション力がある人

これらの特徴をもつ方は、品質を支える重要な役割で力を発揮できます。

 バグ探しや細かいチェックが好きな人

バグを発見することに楽しさを感じられる方は、テストエンジニアに非常に向いています。 ゲームやシステムで不具合や裏技を見つけるのが得意な方は、その観察力や探究心を活かせます。また、細かなUIの差異や仕様通りに動作しているかを正確に確認する力も重要です。 不具合を見逃さず、妥協せずに品質を追求できる姿勢が求められます。

 コツコツ作業・モクモク作業など繰り返し作業が苦にならない人

テスト業務では、同じテストケースを何度も実行する場面が多くあります。 特に制御系のテストでは単純作業の繰り返しが多いため、集中力を保てる方におすすめです。こうした作業を苦にせず続けられる方は、経験を積むほどに作業スピードや正確性が向上します。スモークテストなど、定常的な業務にも粘り強く対応できる方が求められます。

ドキュメント作成・説明が得意な人

テストエンジニアは、不具合を誰でも再現できるように正確でわかりやすいドキュメントを作成する必要があります。テストケースの作成やバグ報告の際には、「伝わる文章」を書けることが大切です。 マニュアルや仕様書に沿って、正確なレポートや指示書を作成できる方は評価されやすいです。また、プレゼン資料などで開発側に改善提案を行う場面でも、このスキルが活かされます。

 IT知識やプログラミング知識がある人

テスト対象のシステムを理解するためには、基本的なIT知識が欠かせません。 ログイン機能やセキュリティ関連のテストなどでは、知識があると作業をスムーズに進められます。また、テスト自動化を行う場合は、PythonやRuby、Javaなどのプログラミングスキルが役立ちます。ITリテラシーをもっている方は、開発者との連携やツールの活用でも強みを発揮できるでしょう。

コミュニケーション力がある人

テストエンジニアは、開発者に対してバグ報告や改善提案を行う場面が多くあります。そのため、自分の意図を誤解なく伝えられる文章力と会話力が欠かせません。 開発者との意見が食い違うこともあるため、冷静に対応できる方が向いています。チーム全体で品質を高める立場として、良好な人間関係を築けるコミュニケーション力が重要です。
これらの特徴を持つ方は、テストエンジニアとしてのキャリアで大いに活躍できるでしょう。テストエンジニアは、ソフトウェアの品質を支える重要な役割を担っています。

※関連記事：テストエンジニアはきつい？理由・将来性・向いている人を徹底解説

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テストエンジニアは、底辺・やめとけ・楽しいなど、きついと感じやすい面があります。一方で、バグ発見による品質向上への貢献や、他部署からの感謝、論理的思考力やITスキルの習得など、大きなやりがいも得られる仕事です。
また、テスト自動化や品質保証人材の需要が高まる中で、スキルアップを通じてキャリアの選択肢を広げることも可能です。転職や資格取得、スキル習得を工夫することで「きつい」から「やりがいあるキャリア」へ変えていける職種と言えるでしょう。

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