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学びは終わらない。尽きない探究心で切り拓く「評価エンジニア」の仕事とは

モバイル機器に搭載されているCIS(CMOSイメージセンサー)の不良解析・評価を行い、製品の品質向上に貢献している評価エンジニアの松野さん。家電好きが高じてエンジニアの道を選び、現在は半導体の物理解析業務で活躍しています。日々、新しい発見と挑戦を続ける松野さんに、評価エンジニアの仕事の魅力ややりがいについて聞きました。

大手半導体メーカー勤務
入社19年目(※)
松野 隆 Takashi Matsuno

2006年入社。電機メーカーにて電化製品の評価、半導体メーカーにて電気特性評価や歩留改善業務などを経験。現在は、半導体の物理解析とチームマネジメントに携わる。
※2024年8月時点

家電好きを活かし、解析・評価の道へ。

―まずは松野さんのこれまでのキャリアと、エンジニアを目指したきっかけについて教えてください。

松野:幼い頃から家電が大好きで、オーディオ機器やクルマのカタログを片手に、スペックを調べるのが趣味でした。新製品が発売されたら、従来のものから進化しているポイントをチェックして、メーカーごとの特性や、製品の持ち味の違いを比較することに楽しさを見いだしていたんです。

そうした背景があり、高校は電気科に進学。その後は短大と大学に進み、情報工学を専攻して、プログラミングやPC構成などを学びました。卒業後は一度別の分野で人と関わる仕事をしましたが、やはり自分が学んできた電気電子の知識を活かしたいと思い、当時のフルキャストテクノロジーに入社。電機メーカーで工業用・家庭用の電化製品を評価したり、半導体メーカーで電特評価(※1)や歩留改善(※2)業務に携わったりと、現在に至るまで、一貫して評価エンジニアとしてのキャリアを歩んできました。

※1 電子部品や回路、システムなどが、設計通りの電気的な性能を発揮しているかどうかを測定し、評価すること
※2 製造工程において、不良品が出ずに正常な製品として完成できる割合(=歩留)を向上させること

―これまでの業務の中で、特に印象に残っていることはありますか?

松野:半導体メーカーで、普段取り扱っているIC実装部品ではなく、ウェハーそのものの評価を経験したことが印象深いです。ウェハーは言わば中身が剥き出しになっている状態。非常に繊細なため、触り方を間違えただけで壊れてしまうこともあるんです。とても神経を使う作業で、最初は緊張しましたね。他にも、電機メーカーでアナログICの過渡特性の評価をしたことも記憶に残っています。電圧・電流を可変的に入力するのですが、その出力に異常があったとき、原因を探るのが難しいんです。配属先が変わると業務内容もがらりと変わるので、一つひとつ地道に学び、知識とスキルを身に付けていきました。

「考察通りの評価結果が得られたとき」が一番嬉しい。

―現在の具体的な業務内容を教えてください。

松野:主にモバイル機器のカメラの受光部分などに使用されるCIS(CMOSイメージセンサー)の不良解析および評価を行っています。破壊解析という手法で、ウェハーの状態から数ミリサイズに破壊した試料を、走査電子顕微鏡(SEM)で観察・分析。半導体はミルフィーユのような積層構造になっているので、断面を見ながら何層目でエラーが発生しているかを確認していくんです。

評価エンジニアの仕事をしていて一番嬉しい瞬間は、自分の解析予想と実際の結果が近かったとき。これまでの経験をもとに推論を立てて実際に確認していく、そのアプローチ自体が興味深いですね。予想の精度を高めるためにも、「幅広い知識を身に付けること」は日々意識しています。自分の担当箇所以外の構造も知っていると、つながりが見えてきて、より俯瞰的な考察ができるんです。長年続けてきたからこそ、解析・評価へのアプローチ方法やデータの整理・分析にも自信がもてるようになりました。

センスを磨き、さまざまな視点をもつ。

―40代を迎えて、働き方に変化はありましたか?

松野:マネジメント業務が増えたことで、チームとしていかに成果を出すかにも重きを置くようになりました。現在、同じチームで働いているのは未経験で入社した2名。エンジニアの仕事は1人で突き詰めていくような作業になりがちですが、わからないことは周囲の人に尋ねて解決することが多く、コミュニケーションは重要です。だからこそ、メンバーがどこで悩んでつまずいているのか、何を考えているのかを積極的に聞くようにしています。少しでもこの仕事を面白いと思ってもらい、チームとしての総合力を高めていきたいですね。

もちろん、個人的なスキルアップも続けたいと考えています。技術は常に進歩しているので、新しい知識を吸収し続けることが大切。特に、私が扱っているのは新製品の試作品で、見たことがないような形状に出会うこともあります。その度に、エンジニアとしての学びに終わりはないのだと実感します。

―評価エンジニアとして働くうえで大切にしている価値観を教えてください。

松野:「とことん知りたい」という探究心を大切にしています。半導体の構造1つをとっても、なぜそのような構造なのか、理由を深く追求すると、裏側にある背景やストーリーに気付けます。高校時代の恩師が言っていた「センスを磨け」という言葉も心に残っていて。これは、当たり前に機能しているように見えるものでもすべてに意味があるから、その意味合いに気付けるよう視野の広さと感度の高さをもちなさい、という教えでした。評価エンジニアをしていると、視野が広がり「さまざまな視点をもつ」ことができます。40代を迎えましたが、今後も知識やスキルをさらに深め、学び続けていきたい。これから評価エンジニアを目指す方々にも、ぜひこの楽しさを味わってほしいですね。

取材日:2024年8月13日


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