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半導体エンジニアの仕事内容|転職する方法や今後の将来性も解説

半導体エンジニアの仕事をもっと深く知りたい」
「半導体の需要やエンジニアの将来性はどうなのかな?」
このような疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。

半導体エンジニアとは、あらゆる製品に組み込まれている半導体の設計や生産に携わる職種です。半導体は特にスマートフォンや電化製品など電子機器に不可欠で、半導体の世界市場は、2030年には現在の約2倍の約100兆円規模になると言われています。

今回は、半導体に携わる半導体エンジニアの仕事内容や必要なスキルを解説します。転職する方法や将来性についてもお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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半導体エンジニアの仕事内容

半導体エンジニアの仕事内容を4つの職種にわけて紹介します。

  • 半導体の設計エンジニア
  • 半導体の試作・評価エンジニア
  • 半導体製造装置の設計エンジニア
  • 半導体製造装置の設置・調整・メンテナンスエンジニア

仕事の全体像がイメージできると、実際に働く時に役立つでしょう。

半導体の設計エンジニア

半導体を組み込んだ製品の集積回路を設計します。集積回路はさまざまな半導体素子をパッケージングした製品の根幹とも言える部品のため、製品の全体設計を担うと言っても過言ではありません。

開発部門や顧客が必要とする要件をもとに、まず半導体の機能・品質・開発スケジュールを検討し仕様書を作成します。仕様書をもとにプログラミングを行ったあと、使用する部品を配置しながら設計を行います。要件を満たすことはもちろん、製品の安全性や生産にあたってのコストも確認しなければなりません。

半導体の試作・評価エンジニア

設計が完了した半導体を試作し品質を確認する仕事です。仕様書通りの機能が備わっているかの確認や、温度や湿度など環境によって生じる変化や耐圧を計測して評価します。

企業によっては、量産体制をとるための製造工程全体の評価も行います。半導体製造の品質向上・生産の効率化を目指し、全工程を客観的に評価したうえで予算や市場動向にもとづいた生産計画を立てるのです。

半導体製造装置の設計エンジニア

半導体の製造に使用される半導体製造装置の設計を行う仕事です。
半導体の製造はマイクロメートルやナノメートルといった非常に細かい単位で加工するため、完全に機械で行います。その機械である半導体製造装置に組み込む基板・回路などの機器や、装置の制御プログラムの設計を行います。

装置のハードウェアとしての品質を最大限引き上げるため、作業にあたっては機械・電気・ソフトウェアなどさまざまな知識が必要です。

半導体製造装置の設置・調整・メンテナンスエンジニア

半導体製造装置を正常に稼働させるサポート業務を行う仕事です。設計図を確認しながら装置を組み立て、工場へ装置を導入・設置する際には完成後電気やガスを供給し、正常に稼働するか確認します。

装置の補修やメンテナンスも重要な仕事です。製造装置は基本的に年中無休で稼働するためパーツの消耗が激しく、放置すると装置が故障したり半導体にも不良品が出たりする恐れがあります。定期的にメンテナンスを行い、必要があればパーツの交換や補修を行わなければなりません。装置に故障やトラブルが発生した際は、原因を突き止めて速やかに修理します。

半導体業界の現状について

2022年、半導体は全世界での出荷額が6,000億ドル*1を超え、半導体製造装置の約6倍の規模に成長しました。2023年は、世界情勢の不安定や一時的な需要減速・供給過多により10.3%減*2のマイナス成長と予測されているものの、電動自動車やAI分野で半導体の需要が強い状態は続いています。そのため、長期的にみると半導体市場は今後も成長を続けると予想されます。

日本では、半導体市場において半導体製造装置市場の存在感が強いのが特徴です。2022年の売上高ベースでは、日本企業が世界トップ10以内に4社*3ランクインしています。 しかし近年、世界市場における日本の半導体シェアは6%前後*4、半導体製造装置シェアは20%前後*5にとどまり、1980年代後半にそれぞれ50%*6近くを誇った日本の半導体シェア率は低下し続けています。

このような現状から、半導体産業を国が保護するため「次世代半導体プロジェクト」を経済産業省が策定しました。2020年代後半の半導体量産化を目指し、研究開発や量産が可能な生産技術の確立を試みる計画です。実際に2023年以降、国内外メーカーの半導体工場の建設や稼働が立て続けに予定されています。

今後、国内で半導体を安定供給できる基盤が作れるか、AIや自動運転など新たに半導体の需要が見込まれる市場で日本が成長できるかが問われるでしょう。

※参照:
*1)Stockmark「【半導体市場の動向】これまでの動向と2024年以降の予測を含めて解説
*2)EE Times Japan「2023年世界半導体市場は前年比10.3%減、WSTS予測
*3,5)セミコンポータル「日本の半導体製造装置産業は本当に強いのか?不都合な真実!」
*4)セミコンポータル「日本の半導体ICメーカーの世界シェアは2021年も6%のまま
*6)半導体:経済産業省「半導体戦略(概略)」8P
半導体製造装置:セミコンポータル「日本の半導体製造装置産業は本当に強いのか?不都合な真実!

半導体エンジニアの将来性

半導体エンジニアの採用ニーズは高く、将来性のある仕事です。
求人数は2013年と比べると2021年は7.4倍、2022年は13.1倍*7と需要は急速に伸びています。自動運転やAIなど半導体の用途が広がり需要が年々高まる一方、対応できるエンジニアが不足しているためです。

近年は以下のような半導体メーカー以外の業界でも採用ニーズがあります。

・自動車部品メーカー
・医療機器メーカー
・AIを導入する業界 など

実務経験のあるエンジニアであれば歓迎され、業界トレンドに沿った知識やスキルを都度身に付けていけばキャリアアップも期待できるでしょう。

※参照:
*7)日経クロステック「半導体人材不足の裏で「圧倒的」求人数、無策の30年を取り戻せるか

半導体エンジニアに必要な素質・スキル3選

半導体エンジニアに必要な素質やスキルは主に3つあります。

  1. 先端技術への強い興味関心
  2. コミュニケーションスキル
  3. 英語力

エンジニアとして成長するためにも欠かせないスキルなので、身に付いているか確認してみてください。

1. 先端技術への強い興味関心

半導体エンジニアは、先端技術に常に関心をもっておく必要があります。さまざまな業界の製品に使用される半導体は、めまぐるしい速度で情報や技術がアップデートされているためです。
最新情報が数カ月後には古い情報となっていることもあります。

自分なりの方法や古い知識に固執していると、活躍の場を失いかねません。業界ニュースをチェックしたり社内外の勉強会に参加したりして、業界の動向や先端技術の情報を収集し、取り入れられそうな部分は業務に活かしましょう。自身のスキルアップにもつながり、業務での課題解決にも役立ちます。

2. コミュニケーションスキル

半導体エンジニアには、相手を問わず円滑に情報共有できるコミュニケーションスキルも必要です。
時には営業・企画部門や他社と連携して業務を行うことがありますが、関係者の中には半導体にあまり詳しくない人もいるでしょう。あまり専門知識がない人にもわかりやすい説明を心がけてコミュニケーションを取る必要があります。

また、半導体エンジニアは1人だけで作業が完結できる仕事ではありません。社内外で情報共有したり、信頼関係を築いたりする面でもコミュニケーションスキルは重要です。

3. 英語力

半導体エンジニアは、英語の読解力があると情報収集に役立ちます。半導体市場は世界規模で拡大しているため、海外で最新情報が発信されることが多いためです。

いち早く情報を入手するためには、翻訳されて書籍化するのを待つのではなく原文で文献を読む必要があります。
英語力自体はエンジニアに必須ではないものの、身に付いていれば海外出張などで派遣される際もコミュニケーションが円滑に進むでしょう。

半導体エンジニアに役立つ資格

半導体エンジニアの業務に役立つ資格を4つ紹介します。

  • 半導体技術者検定
  • 半導体製品製造技能士
  • CAD利用技術者試験
  • 第一種電気工事士

専門性が高い資格のため実務に役立ち、転職活動では確かな知識・スキルがある証明となります。

半導体技術者検定

半導体技術者検定は、一般社団法人パワーデバイス・イネーブリング協会が実施する半導体に関する知識を測定する検定です。

レベル対象試験内容
エレクトロニクス3級学生・若手エンジニアなど半導体の開発・製造に関する基礎知識
エレクトロニクス2級中堅エンジニアなど半導体の作り手に向けた「設計と製造」
使い手に向けた「応用と品質」
電力の効率的な扱いに向けた「パワーエレクトロニクス」3科目それぞれの実践的な知識
エレクトロニクス1級指導的な立場のエンジニアなど2級の「設計と製造」「応用と品質」「パワーエレクトロニクス」の3科目の検定すべてに合格すると認定
※参照:半導体技術者検定

この資格は、半導体を作る側・使う側いずれの知識もあると客観的に判断できます。1級に合格すると、半導体に関するあらゆる課題解決のための体系的な知識があると認定されます。

半導体製品製造技能士

半導体製品製造技能士は、厚生労働省が認定し、都道府県職業能力開発協会が実施する国家資格です。半導体の製造、設備管理などに関する知識や技術が問われます。

レベル対象試験内容
2級半導体製造工場での実務経験2年半導体製品の加工・組立の知識や経験
科目は「集積回路チップ加工」「集積回路組立」から選択
1級2級合格後1~2年の実務経験
もしくは3~7年の実務経験
2級とほぼ同様の内容
特級1級合格から5年の実務経験
もしくは14年の勤務年数
半導体製品に関する知識
作業指導や安全衛生管理の知識
※参照:中央職業能力開発協会

受験にあたっては、いずれのレベルも半導体製造の実務経験が必要です。特級を取得すると、工場の指導者の役割を担うことができ、品質管理や設備の確認などの業務にも携われます。

CAD利用技術者試験

CAD利用技術者試験は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会が実施するCADソフトに関する知識や作図スキルを測定する試験です。

レベル受験資格/対象者試験内容
2次元CAD利用技術者試験
(1級・2級・基礎)
1級:2級または1級有資格者
2級・基礎:不問
CADシステム・製図などの知識
1級は作図などの実技試験あり
3次元CAD利用技術者試験
(1級・準1級・2級)
1級:準1級または2級有資格者
準1級:2級有資格者
2級:不問
3次元CAD・モデリングなどの知識
準1級、1級はモデリング作成などの実技試験あり
※参照:CAD利用技術者試験

半導体エンジニアの中でもとくに設計を手掛ける場合、CADの操作スキルは不可欠です。効率よく高精度な図面を作成できるCADは、現在あらゆる業界で使用されています。設計における基本的な作図スキルが身についている証明となるでしょう。

第一種電気工事士

第一種電気工事士とは、一般財団法人・電気技術者試験センターが実施する建造物の電気設備工事を行う知識・技術があると認定する国家資格です。

レベル受験資格/対象者
第一種電気工事士不問【学科試験】
電気に関する基礎理論・配電理論及び配線設計・電気工事の施工方法など
【技能試験】
配線図で与えられた問題を支給される材料で一定時間内に完成させる
※参照:一般財団法人電気技術者試験センター

電気設備の工事は危険と隣り合わせのため、作業できるのは有資格者のみです。そのため対応できる業務の幅が広く、転職活動でも有利となるでしょう。
機械の不調にいち早く気付いたり、即座にメンテナンスを行ったりできる重要な資格です。

半導体エンジニアが忙しいと言われる理由

半導体エンジニアはよく多忙と言われますが、理由は主に2つあります。

  • 繁忙期がある
  • 安全性や納期を守るプレッシャーが大きい

必ずしもエンジニア全体に当てはまるとは言えませんが、厳しい一面もあると理解しておきましょう。

繁忙期がある

半導体業界は装置の出荷時期などの繁忙期では必然的に残業は多くなります。定時で終了できる日とそうでない日との波があることは認識しておくとよいでしょう。

安全性や納期を守るプレッシャーが大きい

エンジニアには、安全性や納期を守らなければならないプレッシャーがあります。
高額な部品や設備をミスで壊したり、出荷した製品に欠陥が見つかったりした場合は社内での信用を失いかねません。会社の損害にもつながります。

安全性に配慮しつつ、納期に追われる面もあります。半導体エンジニアの仕事は半導体製造のスタート地点のため、トラブルや不具合で納期が遅れるとプロジェクト全体の進行に影響が出てしまうのです。
納期と安全性、どちらも担保した製品を完成させなければならない責任は重いでしょう。

未経験から半導体エンジニアになる方法

未経験から半導体エンジニアに転職したい場合、おすすめの方法は以下2つです。

  • 半導体の知識を学ぶ
  • 未経験応募可の職種から挑戦する

できるだけ必要な準備をしたうえで転職活動に臨みましょう。

半導体の知識を身に付ける

半導体はとても小さなものですが、製品を動かしたりコントロールするために欠かせないものです。自動車、パソコン、スマートフォン、冷蔵庫、医療用機器までさまざまな製品に活用されています。
まずは半導体がどんな製品に活用されているのか、どういった機能があるものなのかなど、参考書や動画などで学ぶことがら始めても良いでしょう。

未経験応募可の職種から挑戦する

採用ニーズが高いとはいえ、半導体エンジニアは高度な知識やスキルを必要とする専門職のため、未経験での採用が難しいケースがあります。そのため、最初に装置や部品の組み立てなどを行うモノづくり業務で入社し、半導体に関する知識・経験を積んだあと評価や設計職にステップアップしていく方法がおすすめです。

当社ビーネックステクノロジーズには、未経験で企業に派遣されるエンジニアも多数います。詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

関連記事:「未経験からの派遣エンジニア」半導体の世界で活躍する若手のホンネとは!?

半導体エンジニアは今後ますます需要が高まる貴重な専門職

今後ますますデジタル化が進む社会において、半導体エンジニアはあらゆる製品に欠かせない半導体に携わる貴重な専門職です。高い技術が必要とされるうえ、納期や安全性も厳守しながら取り組まなければなりません。しかし、責任が大きいぶんさまざまな人の役に立っていると実感できるやりがいの大きい仕事でもあります。

エンジニアは人材不足のため、資格やスキルのあるエンジニアは重宝され転職活動も有利に進められる可能性があります。
ビーネックステクノロジーズは、半導体業界を始めとして機械分野の企業への派遣サポート実績が豊富です。当社エンジニアの就業先満足度は88.0%と高く、働きやすさも考慮して就業先をご提案します。

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