AIエンジニアは何をするの?仕事内容・必要なスキル・求められる5つの知識について解説
「AIエンジニアってどんな仕事?」「AIエンジニアに求められる知識は?」「転職を成功させるポイントは?」そんなお悩みを感じてはいませんか。
AIエンジニアとは、AIを使ったシステム開発やデータ分析を担当するエンジニアのことです。AIの普及とともに活躍の場の拡大が期待されています。
しかし、実際にAIエンジニアがどのような仕事をしているのかを知らない人もいるでしょう。この記事では、AIエンジニアの主な仕事内容や求められるスキルについて解説します。
AIエンジニアへの転職を考えている人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
目次
|AIエンジニアとは
AIエンジニアとは、AI(人工知能)を活用したシステムやアプリケーションの開発から運用を担う職種のことです。具体的には、以下のような業務に携わっています。
● 大量データの収集・前処理
● アルゴリズムの選択
● モデルの学習
● 精度の検証
● システムへの実装
AI開発の全工程に関わるため、幅広いスキルが求められるのが特徴です。ロボット掃除機や自動運転システムなど、さまざまな分野でAIが普及していることから、AIエンジニアの活躍の場はさらに広がっていくでしょう。
|AIエンジニアの主な仕事内容

AIエンジニアの主な仕事内容は、以下のとおりです。
- AI開発
- 学習
- 分析
具体的な仕事内容を知ることで、AIエンジニアへの理解を深められるでしょう。
1.AI開発
AI開発は、クライアントが抱える課題をAIで解決するために、要件定義から設計・実装・テストまでの一連の工程を指します。
画像認識や音声認識などを搭載する場合であれば、ユーザー環境やデバイスとの相性を考慮した仕様設計をしなければなりません。実装段階では、Pythonをメインに、RやC++などのプログラミング言語を用いて開発を進めます。
また、最適なアルゴリズムを選定し、効率良く開発を進めるために、KerasやTensorFlow・PyTorchなどのフレームワークを活用するのもポイントです。完成後は、モデルの精度や性能をテストし、実際の運用に問題ないかの検証にも取り組みます。
2.学習
学習は、開発したAIの精度を高めるために、大量のデータを与えてモデルを鍛える工程です。学習用データの収集や作成に加え、不要データを削除するクレンジングに取り組みます。
また、学習に適した形式に整えるには、適切な前処理によるデータの正規化も欠かせません。機械学習を通じてAIは膨大な情報から人間では気付かない法則や関係性を抽出できるので、ディープラーニングを使えば複雑なパターンの発見にもつながるでしょう。
過学習や未学習への対応を進め、アルゴリズムの選定やパラメータ調整をすることによって、最適な性能を引き出せます。
3.分析
分析は、学習を終えたAIが得られたパターンやルールを基にデータを解釈し、状況判断をする工程です。画像や音声・文章だけでなく、販売データや自動車の運転・人材データなど、さまざまなデータの分析に取り組みます。
そのため、エンジニアはAIに分析させるデータを見極め、必要な情報を漏れなく提供しなければなりません。また、AIが出力した予測や結果の妥当性を検証し、意思決定者にわかりやすく可視化することも重要な役割のひとつです。
|AIエンジニアの3つの種類
AIエンジニアは、以下の3種類に分けられます。
- 機械学習エンジニア
- データサイエンティスト
- データアナリスト
AIエンジニアの役割の違いを知ることで、転職後のミスマッチを減らせるでしょう。
1.機械学習エンジニア
機械学習エンジニアは、AIにおけるプログラム分野を専門とする役割です。データから法則やパターンを学ばせる方法を設計し、AIが人の介入なしに予測や判断できるように訓練します。
具体的な業務内容は、以下のとおりです。
● 数学的構造やアルゴリズムを駆使したモデル設計・実装
● 性能評価
● モデルの改善
● 本番運用
プロジェクトやクライアントの課題によっては、複雑なアルゴリズムを選定し、最適なシステムを開発するスキルも求められます。そのため、プログラミングスキルや数学的知識だけでなく、アルゴリズム理解と最適化の力が欠かせません。
2.データサイエンティスト
データサイエンティストは、統計学やデータ解析を駆使してビッグデータから有益な情報を導き出す役割です。単なる分析だけでなく、データから価値あるインサイトを抽出し、ビジネス課題の解決や意思決定を後押しします。
データ収集や探索的分析・可視化・施策提案など、幅広い業務を担うため、統計やデータ分析のスキル以外にも、ビジネス知識やコミュニケーション能力が欠かせません。
研究やビジネスの最前線で注目を集める役割であることから、AI分野でも重要なポジションといえるでしょう。
3.データアナリスト
データアナリストは、既存のデータを分析して現状の課題を明らかにし、解決策を提案する役割です。統計や分析手法を駆使して数値化した情報を提示し、経営判断を科学的に支援します。
主な業務内容は、以下のとおりです。
● データ集計
● トレンド調査
● レポート作成
● 情報提供を通した企業の改善促進
データサイエンティストよりも広い視点を持ち、コンサルタントに近い立場から分析をする傾向にあるため、背景要因にまで踏み込んだ提案をするのが特徴です。
また、AI技術を活用しながらパターンや相関関係を発見し、仮説の検証やマーケティング施策の具体化にも貢献します。
|AIエンジニアに求められる5つの知識

AIエンジニアに求められる知識は、以下の5つです。
- プログラミングスキルの知識
- 数学・統計学の知識
- 機械学習・ディープラーニングの知識
- データベース運用の知識
- クラウドに関する知識
求められる知識を身に付けておくことで、転職後に活躍しやすくなるでしょう。
1.プログラミングスキルの知識
AIエンジニアの基本的なスキルとして求められるのが、プログラミングに関する知識です。開発だけでなく分析もコード記述が必要であるため、複数言語の理解が欠かせません。
主に使用されるプログラミング言語は以下のとおりです。
| プログラミング言語 | 詳細 |
|---|---|
| Python | AI開発現場で事実上の標準言語 |
| R | 統計解析向けの言語 |
| JavaScript | Webシステムとの連携に必要な言語 |
| C++ | 高速処理に必要な言語 |
| Java | 企業システムで利用される言語 |
機械学習やデータ解析に効率良く取り組むには、Pythonの主要ライブラリである、NumPyやPandas・Matplotlib・Seabornを扱うスキルも求められます。
2.数学・統計学の知識
AIの多くのプログラムやアルゴリズムは数学理論に基づいているため、数学・統計学の知識が欠かせません。
とくに、確率論・統計学・微分積分・線形代数は、データの分布理解や信頼性評価・勾配降下法による最適化、行列計算を伴う大規模データ処理などに使用されます。
数学・統計学の知識があれば、不具合の原因を論理的に推測できるので、新しいアルゴリズムを理解・実装する力も得られるでしょう。また、AIを本質的に使いこなすために必要なパラメータ調整や、適切な解析手法の選定にも役立ちます。
3.機械学習・ディープラーニングの知識
AIエンジニアにとって重要なスキルが、機械学習やディープラーニングの知識です。機械学習とディープラーニングには、以下のような違いがあります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 機械学習 | ・現在のAI技術の核 ・データからパターンやルールを自動で学習 ・分類 ・予測する技術 |
| ディープラーニング | ・機械学習の一手法 ・人間の脳構造を模した多層のニューラルネットワークを用い、特徴量の抽出まで自動化する |
機械学習の学習方法は以下の3種類に分かれるので、データの性質や目的に応じて最適な手法を選択する必要があります。
● 教師あり学習:入力データと正解ラベルでモデルを訓練
● 教師なし学習:正解データなしでパターンや構造を発見
● 強化学習:AIが試行錯誤で最適な行動を学習する手法
数学や統計・データ解析理論を理解することでアルゴリズムの本質を把握できるため、さまざまなAI案件に柔軟に対応できるようになるでしょう。
4.データベース運用の知識
機械学習やディープラーニングを支える大量データは、効率的に管理・処理できる仕組みによって活かされるため、データベース運用の知識が重要です。
データベースの定義や操作・制御にはデータベース言語が用いられ、主にSQLが使用されます。SQLは、表形式データ操作だけでなく、NoSQLやほかのデータ基盤にも応用できるため実務で幅広く利用されているのが特徴です。
AIエンジニアは、大規模なAIプロジェクトを円滑に進められるために、データウェアハウスやデータレイクなどの設計・運用理解も欠かせません。
5.クラウドに関する知識
ディープラーニングのモデル学習には膨大な計算リソースが必要となるため、多くの現場ではクラウドプラットフォームが活用されています。
AWSやGoogle Cloud・Microsoft Azureなどの主要サービスでは、高性能GPUインスタンスを時間単位で利用できるので、開発の効率化にもつながるのが特徴です。
そのため、AIエンジニアは、各クラウドの特性を理解し、プロジェクト要件に最適なサービスを選択・活用する力が欠かせません。クラウドを使いこなすことで開発スピードやコスト効率が向上し、システムの拡張性も確保できるでしょう。
|AIエンジニアへの転職を成功させるポイント
AIエンジニアへの転職を成功させるポイントは、以下のとおりです。
● AIエンジニアに活かせる資格を取得する
● エンジニアに強い転職サイトを活用する
ポイントを押さえることで、希望する企業への転職を成功させやすくなるでしょう。
AIエンジニアに活かせる資格を取得する
AIエンジニアに活かせる以下のような資格を取得することで、知識やスキルを客観的にアピールできます。
| 資格 | 詳細 |
|---|---|
| G検定 | ・ディープラーニングについての基礎的な知識を持ち、事業へ活用できる人材の育成を目的とする ・機械学習やディープラーニングの知識に加えて、AIの歴史や法律、倫理など幅広い分野の知識が問われる。 |
| 基本情報技術者試験 | ・ITエンジニアの登竜門的な国家資格 ・サーバ、ネットワーク、セキュリティの基礎知識を網羅できる ・2023年から通年CBT方式で実施 |
| 応用情報技術者試験 | ・基本情報技術者の上位資格 ・高度IT人材に必要な応用的知識・技能を証明できる ・テクノロジー以外に経営、プロジェクトマネジメント、法務も出題される |
※参照:独立行政法人 情報処理推進機構「基本情報技術者試験」
※参照:独立行政法人 情報処理推進機構「応用情報技術者試験」
エンジニアに強い転職サイトを活用する
AIエンジニアへの転職を成功させるには、エンジニアに強い転職サイトを活用するのがおすすめです。一般的な求人サイトでは求人数は豊富でも、AIエンジニアのような専門的な職種は見つけにくいでしょう。
ビーネックステクノロジーズが運営する「NEXT ENGINEER」なら、機械や電気・IT領域の求人を全国で9,000件以上掲載しています。
また、2,000種以上の研修講座や200種以上の資格取得サポートも用意されているので、スキルアップを図りながら転職活動を進めることが可能です。
| 研修 | 主な内容 |
|---|---|
| C言語マイコン研修 | ・約1〜2カ月間のオンライン研修でプログラミング言語の基礎であるC言語が学べる ・C言語の基礎やプログラミング方法から、マイコンキットを用いた制御開発研修で実際にファンを回したり、LEDランプを点灯させたり、実践的な開発に沿った形で学習できる |
| 機電研修 | ・10日間でものづくりの基礎が学べる ・機械加工の基礎、材料力学、機械力学、半導体の製造プロセス、電気基礎、Excelなど ・ドライバーやスパナなど一般工具の適正な使い方、機械図面の読み方、卓上CNC旋盤の組み立てなどの機械基礎 ・電気配線方法、結線、電圧測定器による計測など電気基礎 |
| セミコン研修 | ・1カ月間で半導体や半導体製造装置の基礎が学べる ・半導体とは何かという基礎知識から、研修センターにある半導体製造装置を使って装置構造やメンテナンス方法を学習できる |
▽学習・研修制度の詳細はこちら
|AIエンジニアのスキルを活かせる職種4選
AIエンジニアのスキルを活かせる職種は、以下の4つです。
- IoTエンジニア
- ITインフラエンジニア
- クラウドエンジニア
- データベースエンジニア
スキルを活かせる職種を知ることで、将来的なキャリアプランを考えやすくなるでしょう。
1.IoTエンジニア
IoTエンジニアは、センサーやデバイス・制御システム、ネットワークの設計・開発を担う職種です。開発現場ではC言語や組込みOSの知識も求められるため、既存のスキルを応用しやすい傾向にあります。
IoTはスマートホームや産業分野など幅広く浸透しており、年々需要が拡大しているため将来性も期待できるでしょう。
2.ITインフラエンジニア
ITインフラエンジニアは、OSやネットワーク・サーバ・ハードウェアなど、インターネット環境を支える基盤を設計・構築・運用する職種です。担当領域によって、サーバエンジニアやネットワークエンジニアなどの役割に分かれます。
ITインフラエンジニアの年収例は以下のとおりです。
| 経験年数 | 年収例 | 内訳 |
|---|---|---|
| 7年 | 475万円 | 月給30万円 +残業手当 +賞与年2回 |
| 13年 | 607万円 | 月給39万円 +残業手当 +賞与年2回 |
| 16年 | 739万円 | 月給48万円 +残業手当 +賞与年2回 |
※上記は、残業15時間分を含みます。年収例は一例であり経験やスキルにより異なります。
以下の記事では、ITインフラエンジニアの仕事内容や求められるスキルについて紹介しています。
関連記事:ITインフラエンジニアとは?種類や仕事内容、必要なスキル、資格を紹介
3.クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、仮想化されたクラウド環境を管理する職種です。クラウドサービスの設計・設定からシステム構築・運用・保守・トラブル対応まで、幅広い業務に携わります。
そのため、AWSやGoogle Cloud・Azureなど、主要プロバイダの特性を理解しておくことが欠かせません。
一方で、昨今ではオンプレミスサーバからクラウドへの移行が進んでおり、クラウド知識以外に物理サーバの理解も求められます。
4.データベースエンジニア
データベースエンジニアは、データベースの設計や構築・運用・管理を担う職種です
データベースはデータを効率的に格納・抽出するミドルウェアであり、Webやサーバサイド処理の基盤として機能します。大規模システムでは処理速度や安定性が求められるため、データベースエンジニアの役割が欠かせません。
AIエンジニアとしてのデータ活用スキルとも親和性が高いので、キャリアの選択肢を広げやすいでしょう。
|ビーネックステクノロジーズでAIエンジニアへの転職を成功させましょう
AIエンジニアとは、AIを活用したアプリケーション開発やデータ解析をするエンジニアのことです。
自動運転システムやお掃除ロボットのようなAI活用製品・サービスの開発に携わります。AIエンジニアはデータ収集からシステムへの実装まで、AI開発の全工程に関わるため、プログラミングスキルやデータベース運用など幅広い知識が欠かせません。
ビーネックステクノロジーズなら、2,000種以上の研修講座と200種以上の資格取得サポートをしているため、継続的なスキルアップに挑戦できます。
また、機械や電気、IT領域を中心に全国9,000件以上の求人を掲載しており、大手メーカーを中心に1,090社とも取引実績があるのも特徴です。興味がある方は、以下からAIエンジニアの求人を確認してみてください。
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