派遣エンジニアとして30年。「次」なる成長機会をつかむために私が心掛けてきた、3つの行動と姿勢。

32年もの長きにわたり、派遣という働き方で、機械設計者として活躍している今城さん。そんな彼に、価値あるエンジニアになるために必要な意識や行動、そしてこれからのエンジニアへのメッセージについて伺いました。

自動車メーカー勤務　
入社11年目（※）
今城 誠一 SEIICHI IMAJYOU
1991年より派遣エンジニアとしてのキャリアをスタート。現在大手自動車メーカーにて、自動車のシャシー開発に挑み、長年サスペンションの設計に従事。
※2024年4月時点

｜多くの職場で学んだことすべてが、自分の財産。

ー これまでのキャリアについてお聞かせください。
工業高校出身だったこともあり、ものづくりを仕事にしようと決めました。社会人としてのスタートは大阪の町工場。そこで試作品の設計業務を教わりながら、エンジニアとして働く楽しさを知りました。

その後は派遣エンジニアとして、貨幣関連機械、省力化機械（FA）、金型、船舶や航空機関連の各種装置などの設計に携わった後、自動車メーカーへ。サスペンション（車体の底部とタイヤをつなぐ部品）の設計業務を担ってきました。

複数の就業先での経験を通じ、設計に必要な知識や技術を身に付けられたことは、エンジニアとして幸せなことだったと思います。自分の希望通りの仕事ばかりではありませんでしたが、目の前の仕事に真摯に向き合うことで、その仕事が好きになったり、新しい発見をすることもありました。

また前の職場で学んだ機構や素材の知識は今の仕事でも活かせていますし、複数の考え方を知ることで、複眼的視点で全体を捉えるようになりました。日々の経験の中で得られた知識や、そこで見聞きしたすべてが自分の財産です。

｜「日常の行動」こそ、信頼と成長への鍵になる。

ー 「派遣エンジニア」として心掛けていることについて教えてください。
常に意識しているのは「自分に支払われている対価以上のアウトプットを出せているか」。プロとして顧客の要望を正しく理解し、期待を超える結果を出すために技術を磨き、知恵を働かせ、自分ならではのプラスαを加えることが必要だと考えます。

その上で、「日常の行動」についても大切なことがあります。

1,踏み込みすぎない
エンジニアには仕事上「提案すること」が必要ですが、まずは就業先の考えを尊重するよう意識しています。限られた予算と納期内で最高の製品を作ろうとする中、提案が正しくても実現が難しい事情もある。「引くべき時は引く」ことも大事です。

2,自分の見た目を軽んじない
作業着に着替えるので、出勤時の服装は自由な職場も多いと思います。ただし、私は襟付きのシャツを着て、涼しくなったらジャケットを必ず羽織ります。スキル、人柄も同じような2人の派遣エンジニアから1人を選ぶ場合、見た目の印象が良い方が選ばれていることを知っているからです。仲間の派遣エンジニアが去る姿から学びました。”初心忘るべからず”を持ち続けることが大切です。

3,仲間の行動を無駄にしない
年齢やキャリアを重ねると他人からの指摘はなくなります。その分、他人の行動を見て「自分はどうか？」と問うこと。年齢を重ねても、自省の機会をつくる意識は必要です。

ー 設計者として、職場で欠かせない姿勢は何でしょうか。
目の前の仕事に長期的に携われるよう、職場での信頼を得ることです。長期的に取り組めれば、知識や経験が増し、作業効率や理解度(練度)が上がります。いろいろな視点・観点でものを見られるようにもなり、それが顧客への提案にもつながるでしょう。

就業先の信頼を得るためには、エンジニアとして、そして人として成長すること。そのために必要なのが、明るい態度や手際の良さ、先程挙げた3つの立ち振る舞いでの意識。これは派遣エンジニアにとって、知識や技術以前に、欠かせない要素だと思います。次なる成長への機会をつかめるのは、顧客の信頼あってこそなのです。

｜挑戦する姿勢を持ち続けることが「次の扉」につながる。

ー これから成長をしたいと考えるエンジニアに対してのアドバイスをお願いします。
チャレンジ精神を大切にしてほしいですね。失敗を恐れず、わからないことは自分から尋ね、実際にやらせてもらうことが大切です。挑戦したことがない分野の仕事でも、知ることで自分の視界が広がります。そして何より、そこで得た経験は必ず自分に返ってきます。「教えてください」の一言を自ら発することが「次の扉」につながっていきます。
これまで知らなかったこと、得意ではないことにも恐れずに、ぜひ一歩を踏み出していただきたいと思います。

取材日：2023年10月20日

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