航空機エンジニアの仕事内容は?将来性や年収、向いている人5選についても解説
「航空機エンジニアはどんな仕事?」「将来性や年収は?」「向いている人は?」そんなお悩みを感じてはいませんか。
航空機エンジニアとは、航空機の翼や胴体、コックピット、電装部品などの開発・設計、実験・評価、生産技術に関わるエンジニアのことです。さまざまな業務に携わるため、幅広いスキルや知識が求められます。
実際の現場でどのようなスキルが求められるのか、不安に感じる人もいるでしょう。この記事では、航空機エンジニアの仕事内容や向いている人、必要なスキルについて解説します。
航空機エンジニアの仕事に興味がある人は、ぜひこの記事を参考に、実際の求人も見てみてください。
目次
|航空機エンジニアの3つの仕事内容
航空機エンジニアの主な仕事内容は以下の3つです。
- 開発・設計
- 実験・評価
- 生産技術
航空機エンジニアの仕事内容はどんな仕事でしょうか?知識や理解を深めることで、転職のミスマッチを防ぎましょう。
1.開発・設計
開発・設計は、航空機の翼や胴体などのさまざまな構造設計やシステム設計を担当します。CATIA V5などのCADを活用した3D設計やシミュレーション、強度や耐久における実験データの分析などを通して、機体やエンジンなどの性能向上や燃費効率の改善に取り組みます。
また、エンジンメーカーと協力して新型エンジンの搭載提案をしたり、運航会社と連携して機体の運用計画を策定したりするのも業務の1つです。基本的に、複数のエンジニアで分担して作業を進めていくことから、技術力だけでなくコミュニケーションスキルも欠かせません。
<プロジェクト例>
- 航空機用翼や胴体の設計
- 航空機用電装部品の設計
- 航空機エンジンの新製品開発支援
以下の記事では、設計の仕事内容や求められるスキル、役立つ資格などについて紹介しています。
関連記事:機械設計エンジニアの仕事内容|年収や転職に役立つスキル・資格も紹介
2.実験・評価
実験・評価は、空の安全を守る航空機の安全性性能や品質をテストする仕事です。高精度の計測機器を用いて、さまざまなテストを実施することで、厳密なデータ収集と分析をします。
例えば、新型旅客機の開発過程では、機体構造の強度試験や航空電子機器の電磁適合性試験など、幅広いテストを実施します。計測結果が基準値に満たない場合は、基準をクリアできるまでテストを繰り返さなければなりません。
<プロジェクト例>
- 航空機用新材料の実験・評価
- 航空機部品の解析・シミュレーション
- 航空機部品の開発試作
以下の記事では、実験・評価の仕事内容や求められるスキル、役立つ資格などについて紹介しています。
関連記事:実験・評価エンジニアの仕事内容|求められるスキルや将来性も解説
3.生産技術
生産技術は、航空機製造の効率化と品質向上を追求する仕事です。生産工程の設備やプロセスにおける課題を分析し、コスト削減や生産期間短縮のための改善に取り組みます。
例えば、旅客機組み立て生産ラインでは、自動化システムの導入による、製造プロセスの最適化などに携わります。もちろん大規模な設備投資を伴うプロジェクトだけではありませんが、技術的な専門性や、長期的な視点でプロジェクトを進める能力も必要不可欠です。
<プロジェクト例>
- 航空機組み立て工程の作業手順書作成
- 航空機部品加工における工程改善
- 航空機の生産管理
以下の記事では、生産技術の仕事内容や年収例、向いている人などについて紹介しています。
関連記事:生産技術エンジニアの仕事内容|年収例や資格・将来性についても解説
|航空機エンジニアの将来性
航空機は人や物を運ぶための重要な交通手段であり、そのため航空機エンジニアの仕事はとても大切です。航空機の部品は、普通の機械部品よりも高い信頼性や特別な設計が必要です。このため、専門的な知識をもったエンジニアの需要は今後も高まると考えられています。
また、航空機エンジニアは幅広い知識や経験を得ることができるため、さまざまなキャリアパスを選ぶことができます。航空機の開発は国際的なチームで行われることが多く、世界中で働くチャンスも増えています。
新しい技術や情報に常に目を向けることで、航空機エンジニアとしてのキャリアを長く続けることができるでしょう。
|航空機エンジニアに向いている人の特徴5選

航空機エンジニアに向いている人の特徴を以下5つに分けてご紹介します。
- 航空工学に関する知識がある人
- 環境保護に関する知識を学んだ人
- CADスキルがある人
- コミュニケーションスキルを活かしたい人
- 英語力を活かしたい人
航空機エンジニアとして活躍するには、一つひとつのスキルを磨き上げるのが重要です。知識やスキルを習得して、航空機エンジニアとしての活躍の場を広げましょう。
1.航空工学に関する知識がある人
航空機エンジニアには、以下のような航空工学に関する幅広い知識が求められます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 流体力学/空気力学 | ・翼理論、揚力・抗力の原理のこと ・翼の設計や空力性能の向上につながる ・圧縮性流体や数値流体力学(CFD)の知識が求められる |
| 構造力学/材料力学 | ・機体構造設計、応力解析、軽量・高強度材料の使用に必要な知識 ・有限要素法(FEM)解析のスキルが必要 ・軽量かつ高強度な機体構造の実現に求められる |
| 推進工学 | ・ジェットエンジンの原理と構造、推進効率に使用される ・新型エンジン技術に求められる ・エンジン開発や性能評価に活用され、燃費効率の改善につながる |
| 飛行力学/制御工学 | ・航空機の運動方程式、安定性と操縦性を求める際に必要 ・自動操縦システムの理解が求められる |
| 航空機システム工学 | ・油圧・空気圧システム、電気・電子システム、航法・通信システムの設計に求められる ・航空機の新素材開発にも役立つ |
| 航空宇宙材料学 | ・金属材料や複合材料の特性、耐熱・耐食性に関する知識 ・航空機の新素材開発にも応用できる |
航空工学に関する知識を基礎から応用まで幅広く習得することで、より高度な技術開発ができるようになります。
2.環境保護に関する知識を学んだ人
航空機の設計・開発をする際には、環境保護に関する知識が求められます。特に、環境影響評価や保護対策の策定・厳格な環境基準の遵守が欠かせません。環境保護に関する主な取り組みは以下のとおりです。
| 取り組み | 具体例 |
|---|---|
| CO2排出量削減 | ・燃料効率の良いエンジン設計 ・軽量材料の使用による機体重量の軽減 |
| Ox(窒素酸化物)削減 | ・低NOxバーナーの開発 ・燃焼温度の最適化 |
| 騒音低減 | ・急激な出力変化を避ける離着陸手順 ・騒音軽減飛行経路の設計 |
| 代替燃料の研究 | ・バイオ燃料の利用 ・水素燃料の可能性の探求 |
| 材料と製造プロセスの見直し | ・リサイクル可能な材料の使用 ・有害物質の使用削減 ・製造時のエネルギー消費削減 |
技術革新と環境保護のバランスを取ることで、持続可能な航空産業の発展への貢献が期待できます。
3.CADを扱うスキルがある人
航空機の設計・開発には、CADスキルが欠かせません。CADは、コンピューターを利用して高精度な設計図を作成するツールで、航空機の複雑な構造や部品を効率良く設計できます。
そのため、基本的なCADの知識と操作スキルはしっかりと身に付けておきましょう。主なCADツールは以下のとおりです。
| CADツール | 特徴 |
|---|---|
| AutoCAD | ・図面作成に適している ・操作方法が比較的わかりやすい |
| SolidWorks | ・立体的な部品設計を得意とする ・製品の動きをシミュレーションできる |
| CATIA | ・複雑な形状の設計ができる ・製品の設計から管理までができる |
| Fusion 360 | ・設計から製造まで幅広く対応している |
実務経験を積むことでもCADを扱うスキルを身に付けられますが、CAD利用技術者資格の取得を目指すのも効果的です。
4.コミュニケーションスキルを活かしたい人
航空業界は、設計から製造・テストまで、数人から数十人規模のチームでプロジェクトを進行するため、コミュニケーションスキルが求められます。必要に応じてチームメンバー以外にも、他部門の専門家や海外の技術者とコミュニケーションを取らなければなりません。
特に、開発段階では各部署間で進捗を報告し合い、テストと改良を繰り返す必要があります。プロジェクトを成功に導くためにも、複雑な技術情報をわかりやすく説明したり、異なる意見をまとめ上げたりするコミュニケーションスキルが必要でしょう。
5.英語力を活かしたい人
航空機エンジニアは、技術マニュアルや仕様書を読解するために、高校卒業程度の英語力が必要です。国際的なプロジェクトの場合、海外の同僚や顧客とのコミュニケーション・技術的な説明や議論も英語でしなければなりません。
そのため、航空力学用語やエンジン部品名・航空規則・安全基準に関する用語の英語表現を学んでおくと良いでしょう。英語力向上には、航空技術関連の英語教材の活用やオンライン英会話・技術マニュアルの読解練習などが効果的です。
|航空機エンジニアの年収例
ビーネックステクノロジーズでの航空機エンジニアの各職種の年収例は、以下のとおりです。
| 職種 | 年収 | 内訳 |
| 開発・設計 | 910万円 | 月給60万円 +残業手当 +賞与年2回 |
| 実験・評価 | 760万円 | 月給50万円 +残業手当 +賞与年2回 |
| 生産技術 | 822万円 | 月給54万円 +残業手当 +賞与年2回 |
※経験年数26年の場合の年収例を記載しております。
※上記は、残業15時間分を含みます。年収例は一例であり経験やスキルにより異なります。
企業の規模や経験年数によって、年収が異なる傾向にあります。年収例はあくまでも一例になりますので、実際の求人を確認しましょう。
|航空機エンジニアへの転職を成功させるポイント
航空機エンジニアへの転職を成功させるポイントは、以下のとおりです。
- 航空機エンジニアに活かせる資格を取得する
- エンジニアに強い転職サイトを利用する
希望する企業への転職を成功させるには、ポイントを押さえる必要があります。ポイントを押さえて、希望する条件にあった企業への転職を叶えましょう。
航空機エンジニアに活かせる資格を取得する
航空機エンジニアに活かせる以下の資格を取得することによって、知識やスキルをアピールできます。
| 資格 | 内容 |
|---|---|
| CAD利用技術者資格 | ・CADを使用できるスキルを証明する資格 ・2次元CADと3次元CADの資格に分かれている |
| 航空整備士資格 | ・整備をした航空機について安全性基準の確認行為を行うにあたり必要な資格 ・資格の種類により、確認行為を行うことのできる作業区分や航空機の耐空類別が異なる |
| 技術英語能力検定 | ・科学技術分野の英語力を評価する試験 ・技術系の英語力を客観的に証明できる |
※参照:CAD利用技術者試験
※参照:国土交通省「航空整備士資格と認定事業場について」
※参照:一般社団法人日本能率協会「技術英語とは」
|エンジニアに強い転職サイトを活用する
航空機エンジニアへの転職を成功させるには、専門性の高い求人を多く扱うエンジニアに強い転職サイトの利用がおすすめです。一般的な求人サイトでは、専門職の掲載数が限られているため、希望する条件の企業を見つけられない可能性があります。
ビーネックステクノロジーズが運営する「NEXT ENGINEER」では、機械や電気・IT領域に特化した求人を全国で9,000件以上掲載しています。2,000種以上の研修講座や200種以上の資格取得サポートもしているので、転職後のスキルアップも可能です。
そのほかに、以下のようなエンジニア向けの研修制度も用意されています。
| 研修 | 主な内容 |
|---|---|
| 機電研修 | ・10日間でものづくりの基礎が学べる ・機械加工の基礎や材料力学、機械力学、半導体の製造プロセス、電気基礎、Excelなど ・ドライバーやスパナなど一般工具の適正な使い方、機械図面の読み方、卓上CNC旋盤の組立などの機械基礎 ・電気配線方法や結線、電圧測定器による計測など電気基礎 |
| 機電・セミコン研修 | ・1カ月間でものづくりの基礎から半導体や半導体製造装置の基礎が学べる ・機械製図の読み方や3DCADでのモデリングや旋盤の組み立て実習 ・半導体とは何かという基礎知識から、研修センターにある半導体製造装置を使って装置構造やメンテナンス方法を学習できる |
研修を活用することで、航空機エンジニアとしての専門性を高められるので、転職後も活躍の場を広げられるでしょう。
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|ビーネックステクノロジーズで航空機エンジニアにキャリアアップしよう
航空機エンジニアは、航空機本体や内装部品の開発・設計や実験・評価、生産技術などに携わる仕事です。専門性の高い仕事なので、航空工学に関する知識や環境保護に関する知識が求められます。
また、設計をする際にはCADを扱うスキルも欠かせません。航空整備士やCAD利用技術者資格などの資格を取得すると、転職の際に知識やスキルをアピールしやすいでしょう。
ビーネックステクノロジーズなら2,000種以上の研修講座と200種類以上の資格取得サポートを受けられます。異業種からの転職であっても、しっかりとスキルを身に付けられるのが特徴です。
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